花火

【はなび】

【は】な咲く夜空の 饗宴に
【な】がれ星さえ 霞んで見える   
【び】っしり埋まった 観客越しの
  水面に涼風 夏祭り      


みなさま、こんにちは!
いわいうたや の石黒です。

降り続く雨と蒸し暑さに憂鬱になりがちなこの季節、
梅雨が明けたらいよいよ夏本番。
海、キャンプ、ビアガーデン、子供たちは夏休み、楽しいことが待っています。

中でも多くの人が楽しみにしているのが花火大会ではなないでしょうか。
日本各地で開催される花火大会は
花火の種類や打ち上げる数などそれぞれに特徴があり
いずれも甲乙付け難い美しさで、日本が世界に誇れる夏の風物詩です。

「裸の大将」と呼ばれた貼り絵作家、山下清さんも花火が大好きで
どこかで花火大会があると聞けば、リュックを背負って出かけて行ったとか。
「みんなが爆弾なんか作らないで きれいな花火ばかり作っていたら
 きっと戦争なんて起きなかったんだな」
と言っていた山下清さんの、亡くなる前の最後の言葉は
「今年の花火はどこに行こうかな」
だったそうで、花火への深い思い入れがうかがえます。

山下清さんの代表的な作品に「長岡の花火」がありますが
その長岡の花火で偶然出会ったのが、花火師の嘉瀬誠次さん。
現在は引退されていますが、嘉瀬さんも山下清さんと同じく
全ての爆弾を花火に換えたい、破壊のための火薬を楽しみのために使う、と言っています。

長岡空襲のあった8月1日には、毎年「白菊」という名の花火が上がります。
これは加瀬さんが手がけた慰霊の花火。
そして花火大会で正三尺玉が上がる前には、サイレンが鳴ります。
これはいつまでも戦争の記憶をなくさないため。
長岡の花火は慰霊の念と平和への希望が込められています。

花火見物を計画する際には、そこに込められた思いや歴史を調べてみると
より感動も深まるかもしれませんね。