アキアカネ

【あきあかね】

【あ】かねの空を 見上げれば
【き】たへと急ぐ 渡り鳥     
【あ】きの訪れ 空気も変わり
【か】り入れ終わった 千枚田
【ね】ん季の入った 案山子の肩で
  羽を休める あきあかね


みなさま、こんにちは
いわいうたや の石黒です。

あの暑かった夏が過ぎさり、心地よい秋風の吹くこの頃ですが、
季節の変わり目です。皆さまお体ご自愛くださいませ。

さて、今号のお題は あきあかねで す。

お彼岸を過ぎて朝晩肌寒くなってくると
稲刈りを終えた田んぼにたくさんの赤トンボを目にするようになります。
澄んだ青空を飛び交うアキアカネは秋の風物詩ですね。
今ではトンボを追う子供の姿もすっかり見えなくなりましたが
昭和世代にとっては、幼い頃の記憶を呼び起こすノスタルジックな情景です。

アキアカネは高温に弱く
初夏に羽化するとすぐに、涼しい高地へ移動して夏を過ごします。
夏の平地で時々赤いトンボを目にすることがありますが
あれはナツアカネという別のトンボなんだとか。
高地で成熟し、体が赤くなったアキアカネは
秋になって涼しくなってくると、平地に移動して産卵します。
卵は土の中で越冬し、春に田んぼに水が張られると孵化してヤゴに。
そうして命は繰り返されていきます。

アキアカネ、木の実や木々の紅葉など
秋の赤い色は成熟や実りを表す色、命の力強さと温かみを感じさせる色です。
尊い命に感謝しつつ、秋の実りを満喫する。
いつもより少しだけペースを落として、秋のぬくもりを感じてみましょう。